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利用状況(統計から見える事業所の特徴)

障害者自立支援法の課題と新体系事業移行を迎えて

当事業所は平成15年4月より埼玉県内に数少ない福祉ホームB型として診療所から離れた住宅地に施設を構え、また、運営は病床を持たない精神科診療所が担っています。そして"地域と共にある施設"として精神障がい者に生活の場を提供し、社会復帰や自立の促進に向けた支援を行なってきました。これまで多くの精神障がい者の方が利用し、熊谷市を中心とした埼玉県北部における精神障害者社会復帰施設の一翼を担ってきたと思っております。

福祉ホームB型の補助金は、他の社会復帰施設に比べて極めて低く、補助金の範囲では運営できる状況になく、スタッフも最小限の人数にて24時間体制で利用者への支援を行なっている現状でした。
更に、平成18年に施行された『障害者自立支援法』では、当事業所も含めた一部の社会福祉施設は5年という経過措置の中で、新体系事業への移行が求められてきました。また、当事業所が移行するに際し、現在の事業に近い形である居住系サービス事業(グループホーム・ケアホーム)への移行は、報酬単価が極めて低くなるため、利用者の負担は増えると共に、福祉ホームB型の建築物・設備状況・定員・職員数では事業の継続が極めて困難となり事業内容の抜本的な見直しも検討される状態にありました。そのうえ、事業内容が大幅に変わると、支援内容や利用対象者も変わってくるなど、現在の利用者やこれから「ひこばえ」の利用を考えている方に少なからず影響を与えてしまいます。そのため、新法施行同時期より県や市に対して折衝を重ねる中、新法においても既存事業が存続できるために3,355名の賛同署名と数々の要望書を提出、また、日本精神神経科診療所協会埼玉支部、埼玉県精神障害者社会復帰施設運営協議会、市議会議員など多くの方々のご支援を受けながら行政への働き掛けを続けてまいりました。

しかしながら、地方行政の財政も厳しく、また他施策との兼ね合いもあることから要望を聞き入れることが困難との判断が示されました。当事業所としても、このような状況を厳粛に受け止め、少しでも"福祉ホームひこばえ"が担ってきた機能や役割を活かせるような新体系事業を模索し、自立のために必要な訓練と生活の場所を兼ね備えた“障害福祉サービス事業”の「自立訓練(生活訓練)・宿泊型自立訓練」を選択した次第です。そして、今回の移行を機に行政との関係も協調路線へ転換し、県や市の担当課においても施設の必要性を十分理解した上で、事業所と共に考え、法律上可能な範囲で最大限の協力を得ることもできました。

障害者自立支援法では"日中と夜間のサービスを切り分けて行なうこと"が基本となっているほか、スタッフの配置基準や報酬単価など様々な問題があります。また、『長期入院・入所から地域生活に向けた移行』を掲げておりますが、現実的にそのような方々が地域社会ですぐに生活していくには、住居や支援体制、本人の不安なども含め、数多くの課題に直面することが多いようです。

福祉ホームB型や生活訓練施設などの入所系施設は、"日中と夜間の支援を一体的に行なう"ことにより、意味や効果があり、これまで、精神障害者社会復帰施設が、精神障がい者の自立や社会復帰、退院促進のために果たしてきた役割は少ないものではないと思われます。今後もこの法律は、廃止も含め多くの課題が山積しておりますが、現場のスタッフとしては、国の政策に振り回されてしまうことが多い中で、日頃の業務や実践で積み重ねてきたことを大切にし、そして、真に守るべきことを見失わないように奮励努力していきたいと考えます。

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